ハセツネでサブ10を達成するには

2017年12月28日

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ハセツネとは日本山岳耐久レースのことで長谷川恒夫CUPとも呼ばれています。その昔は「ヤマタイ」と言っていましたが、近年はもうすっかり「ハセツネ」と言う人がほとんどですね。

そのハセツネですが制限時間は24時間です。24時間あればよっぽどのトラブルがない限りゴールすることは問題ないでしょう。まぁ、本来のハセツネの趣旨は24時間を目一杯使って奥多摩の山域を縦走することが出来る能力を付けると言うものだったのではないでしょうか?でも今はいかに早く帰ってこられるかという競技指向が強くなっています。

そこで様々なレベルの人が目標を設けてレースを目指しているでしょうが、ある程度のレベルの人が目指すのが10時間以内完走の「サブ10」でしょう。トレイル界では一目を置かれる存在でしょう。10時間とキリもいいいいですし、この時間でゴールすることが出来れば、終電で帰ることができるのです。東京近郊の人であれば、これだけのBIGレースが1日で完結するんですね。

このサブ10を目指すのにどうしたらいいのか?

近道をアドバイスしていきたいと思います。

私自身40歳中盤の中年です。フルマラソンのレベルもサブ3.5がやっとです。そんな私でもハセツネのサブ10はできました。トレイルランのプロにアドバイスしてもらっても、それって意味あります?彼らはフル走れば2時間30分は余裕で切るでしょうし、持ってる能力がそもそも違います。更に練習に割ける時間も我々とは全く違います。

ハセツネ、サブ10を普通のランナーが目指すのに必要なことは大まかに以下のように分けて考えていきましょう。

  • 練習内容
  • 走力
  • 装備
  • レース運び

ハセツネに向けての練習方法

まずはハセツネに向けて練習をしていくわけですが、当然トレイルを走れる練習が必要です。ただ練習環境が人によって様々だと思います。山でのトレイルの練習がなかなかできない人もいるでしょう。私の場合、一日まるまる山の練習をすることはできませんでした。仕事や家庭が優先ですので、まぁ半日山に入れればいいところです。それも月に1~2回がいいところでしょう。

そういった制限をいかに克服していくか。長く山に入って練習することに越したことはありませんが、いかに集中し工夫した練習をするかです。公園の不整地、河川敷土手の勾配、坂道、階段など都市部においてもトレイルに近い環境はいくらでも作り出せます。距離的には長く取れない場合でも、そういった所を中心に繰り返し走るのです。根気がいることですがコツコツとやりましょう。この練習を4~5か月前から始めます。トレイルの下地作りです。週に2~3回でよいでしょう。ほかの日はロードでもよいのでなるべく走る習慣をつけ、週に5~6日は走りましょう。練習時間は長いに越したことはありません。45分以上は必要です。

トレイルの本格的な練習は春以降から始めます。春から夏にかけて月に1~2回山で練習しましょう。低山でもいいので、山に慣れることが大切です。この練習は一人でやることをお勧めします。数人以上でやると自分のペースで練習できませんよね。相手を待つのも待たせるのも気を使うので、一人練習が良いでしょう。相手に合わせた練習は身になりません。貴重な練習時間ですので、なるべく自分のための練習をしましょう。レース本番は自分の体力をいかに客観的に把握するかが重要です。それにはやはり自分一人で山に入り、ペース配分を身に付ける必要があります。

ハセツネに必要な走力とは

「ハセツネのサブ10で走るにはある程度スピードがないと厳しいよ」とよく言われますがスピードは全く必要ありません。1キロを3分半とかで走る走力は全く必要ありません。コース上、総じてそんなスピードを出す個所はありません。よってインターバルなどのスピード練習は必要ないでしょう。スピード練習で心肺系を鍛えることは全く意味のないことではありません。ある程度のアドバンテージになります。でもそれはサブ9とかの段階でいいでしょう。それでも10キロを40分切るくらいの走力は最低限必要でしょう。

ハセツネでは「スピード」よりも「強さ」を重視します。10時間淡々と走れる走力が重要です。あとは上りの強さ。走れるステージはそれ程差がつきません。差が付くのは圧倒的に上りです。それも歩きの登坂力が必要です。上りの歩きを鍛えましょう。レース本番、上りはほぼ歩きでもサブ10はできます。よって歩きでもいいのです。

ハセツネには独特の装備が必要

ハセツネの難易度を上げている原因の一つは、そのエイドの少なさです。第2関門、月夜見の1か所しかありません。そこで1.5ℓの水分を補給できるだけです。当然、そこにドロップを置くこともできません。よって携行装備が多くなります。装備は多ければ多いいほど安心です。その反面、装備の重量は増し走るのに重荷になります。サブ10を目指すのであれば徹底的に装備の軽量化が必要です。無駄なものは一切持つ必要はありません。この辺は経験がものをいいます。何回か出ていてその際、一度も使わない装備は不要なものです。持たないと不安でしょうがタイムを狙うのであれば置いていきましょう。

ライトは2つあれば十分でしょう。1つでも十分ですが、途中その1つにトラブルがあった場合を考え2つ持ちます。それ以上は不要です。ライトを落としたり、岩上りでヘッドライトを岩にぶつけたり等、夜間走行ではライトにトラブルが起きやすいです。機械ですので故障の可能性もあります。ヘッドライトを2つにするか、ヘッドライトと手持ちライト1つずついいでしょう。
予備の電池は持ちすぎないように。電池は16時からの点灯として、サブ10であれば7時間、サブ12で9時間持てば十分です。上りの歩きでは光量を最小に落としたり、前に人がいたらそこでも光量は最小でいいでしょう。こうすると予備の電池を使う必要はありません。私は大抵、予備電池は持ちません。もう一つの予備ライトにも電池は入っていますし。

食料が一番悩ましいところにです。エネルギー切れは絶対起こしたくありません。でも最近は軽くて効率の良いジェルが沢山売られています。食べ物はジェルだけでいいでしょう。10時間ならそれだけで十分です。1時間に1つ。予備を考えてパワージェルなどで12個もあれば十分です。その他、ご褒美的に第二関門で食べる甘いお菓子とか何かがあればいいでしょう。荷物は軽ければ軽いほど体力のセーブになり、腹も減りません。

シューズもいろいろと悩むところでしょう。ひと昔前はトレイル用のシューズ自体あまり選択肢がありませんでしたが、最近は様々なシューズが発売されています。サブ10を目指すのであれば耐久性よりは軽さ、スピード重視のシューズでいいと思います。ランニング用のシューズでも大丈夫だと思います。ラン用だと滑る、という人もいるかと思いますが、ツルツルにすり減ったソールは論外ですが比較的新しいものであれば十分グリップは効きます。要は走り方です。滑る人は不整地を走る技術が不足しているのです。レース中、周りの選手を観察していると2万円以上もするような最新鋭のシューズを履いた人たちがツルツル滑っていました。それを見て「シューズは関係ない」と悟りました。バランス、足の着き方、下りの走り方をうまくすれば、どんなシューズでも滑ることはありません。また、コースはよく踏まれ、整備された路面なので、強固な耐久性はそれほど必要ないでしょう。

その他、必携装備だけは必ず持ちましょう。水分だけでも2キロの重さになります。その他をやはり1キロ以内を目標に軽量化したいところですね。全装備が5キロ以上あるならサブ10は難しいです。いくら速い人でも5キロ以上を背負わせたら、1時間や2時間は平気でタイムは落ちるでしょう。軽量化はタイムを削り出す近道です。

ハセツネのレース攻略

ハセツネは第一関門までが一番重要です。サブ10を狙う走力のランナーであれば、そこでのタイムでゴール時間はほぼ自動的に決まります。

第一関門の目安タイムは3時間を切るタイムが必要と言われます。実際そこまでのタイムは必要ありません。3時間10分以内であれば十分です。この10分の差は大きいです。第一関門までで10分遅くてもいいなると、かなり余裕のペースだと思います。上りは全て歩き、渋滞でノロノロで行ったとしても十分可能なタイムです。無理することなく慌てず、オーバーペースにならないようにすることで後半いくらでもタイムは伸びます。ここで10分縮めるのは至難の業ですが、第2関門以降はいくらでもタイムは縮められます。よって第一関門までのペースはかなり重要です。いっぱいいっぱいで3時間切りを目指すより、余裕を持って3時間10分でもいいや、くらいの気持ちでいくことが必要です。ある意味、試走は第一関門までを何回も繰り返し、そのタイムを余裕を持って走れればいいのです。時間が無ければ第一関門以降の試走は不要です。

第一関門でその位置に居ることができれば、周りはそれなりに力のある層の選手です。良いパックを捉えましょう。単独走は避け、楽に話しながらでも付けるくらいのペースの集団に付かせてもらいましょう。パックの最後尾がいいです。前に出て集団を引くのは避けた方がいいです。パックの前はコースロストをしないように注意しないといけないし、トレイルの状況にも常に気を配る必要があります。それはかなりのストレスで、体力を消耗します。ある程度経験を積んでいる人ならパックを引いてもいいでしょうが、ギリギリでもサブ10をしたいといった人は無理をしないようにしましょう。

集団走では途中前へ抜ける人が出てくるでしょうから、冷静に判断して、なるべくその前へ抜ける流れにのりましょう。ただそれだけです。
周りのペースに乗ったらあとは関門ごとのタイムを刻んでいきます。第2関門で6時間10分以内。第3関門で8時間40分以内がギリギリのラインでしょう。無理に貯金を作ろうとせず、数分でも早ければいいのではないでしょうか。そのタイムを切ってさえいれば、よっぽどのトラブルが無ければ大丈夫でしょう。
集団走は第3関門までで終わりにします。第3関門以降は自分のペースでいきましょう。最後の花道ですので、もういくら飛ばしてもいいと思います。ただここでスピードアップできないようだと、ちょっと辛いですね。これまでのペースメイクが失敗です。実力以上のオーバーペースだったのです。

 

だいたいのハセツネの走り方でしたが、少しでも参考になれば幸いです。皆さまの健闘を祈ります。